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人材版伊藤レポートとは

2024.9.9
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人材版伊藤レポートとは

人材版伊藤レポートとは

人材版伊藤レポートは、2020年9月に経済産業省が公表した「持続的な企業価値向上と人的資本に関する研究会」の最終報告書です。
このレポートは、企業の人材戦略に焦点を当て、経営戦略と人材戦略の連動の重要性を強調しています。

背景と目的

  • 産業構造の急激な変化や少子高齢化など、企業を取り巻く環境の変化に対応
  • 持続的な企業価値向上のための人材戦略の構築を促進
  • 投資家との対話における人的資本の非財務情報の活用を推進

主要な提言:3つの視点と5つの構成要素

人材版伊藤レポートでは、「3P・5Fモデル」として以下の内容が提示されています。

3つの視点(3P)

  1. 経営戦略と人材戦略の連動
  • 企業の経営戦略と人材戦略を密接に結びつけることが重要です。
  • 経営目標達成に必要な人材像を明確にし、その育成・獲得・配置を戦略的に行います。
  • 経営陣が人材戦略の策定と実行に積極的に関与することが求められます。
  1. As is-To beギャップの定量把握
  • 現状(As is)と目指すべき姿(To be)のギャップを定量的に把握します。
  • 人材に関する様々なデータ(スキル、経験、パフォーマンスなど)を収集・分析します。
  • ギャップを埋めるための具体的な施策を立案し、その進捗を定期的に測定します。
  1. 人材戦略の実行プロセスを通じた企業文化への定着
  • 人材戦略の実行を通じて、望ましい企業文化を醸成します。
  • 従業員の行動変容を促し、新しい価値観や行動規範を組織全体に浸透させます。
  • 経営陣自らが率先して新しい文化を体現することが重要です。

5つの共通要素(5F)

  1. 経営理念・ビジョン(Philosophy)
  • 企業の存在意義や目指すべき姿を明確にします。
  • 従業員が共感できる価値観を示し。組織の一体感を醸成します。
  1. 戦略・実行(Strategy & Execution)
  • 経営戦略に基づいた人材戦略を策定し、確実に実行します。
  • KPIを設定し、PDCAサイクルを回して継続的な改善を図ります。
  1. 組織・人材(Organization & Human Resources)
  • 戦略実現に最適な組織構造を設計します。
  • 必要な人材の獲得、育成、配置を戦略的に行います。
  • ダイバーシティ&インクルージョンを推進します。
  1. 成果・評価(Performance & Assessment)
  • 公正で透明性の高い評価制度を構築します。
  • 個人とチームの成果を適切に評価し、フィードバックを行います。
  • 評価結果を育成や処遇に反映させます。
  1. 新しい働き方・カルチャー(Workstyle & Culture)
  • 多様な働き方を支援する制度や環境を整備します。
  • イノベーションを促進する組織文化を醸成します。
  • 従業員のウェルビーイングを重視し、エンゲージメントを高めます。

人材版伊藤レポート2.0

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2022年には、より具体的な実践方法を示した「人材版伊藤レポート2.0」が公表されました。
このバージョンでは、人的資本経営の実現に向けた具体的な施策や事例が紹介されています。

背景と目的

  • デジタル化や脱炭素化、コロナ禍による経営環境の急速な変化
  • 人材を「コスト」ではなく「資本」として捉える人的資本経営の重要性の高まり
  • 経営戦略と人材戦略の連動の必要性

主なポイント

  • CHROの設置と全社的経営課題の抽出の重要性
  • 経営戦略と人材戦略の連動のための具体的な取り組み
  • 3つの視点と5つの共通要素のさらなる深掘り

人材版伊藤レポートの意義

このレポートは、日本企業が人材を「コスト」ではなく「資本」として捉え直し、積極的に投資すべき対象として認識することを促しています。また、企業の持続的成長と競争力向上のために、人的資本経営の実践が不可欠であることを強調しています。
企業は、このレポートを参考に自社の人材戦略を見直し、経営戦略との連動を図ることで、長期的な企業価値の向上を目指すことが期待されています。

ツールの活用

人材版伊藤レポートでも人的資本経営の実践が不可欠であると示されており、人的資本経営は人材データの収集・更新、そして集まったデータを分析が必要です。それにはツールの活用が不可欠です。
Tasonalは、タスク管理機能や1on1管理機能、目標管理機能から人材データ(スキル・エンゲージメント・志向性など)を収集/可視化し、それらのデータを基にした人材管理や業務の改善を支援します。
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人材データの収集や更新は現場の協力が不可欠です。人的資本経営の導入が形骸化しないためにも、現場負荷を下げるこのようなツールを検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

人材版伊藤レポートは、2020年9月に経済産業省が公表した「持続的な企業価値向上と人的資本に関する研究会」の最終報告書です。
このレポートは、企業の人材戦略に焦点を当て、経営戦略と人材戦略の連動の重要性を強調しています。

また、データの収集や更新には、Tasonalのようなツールを導入しましょう。業務管理ツールからデータを収集することで、少ない現場負荷で人的資本経営の導入を可能にします。

ぜひお気軽にお問合せください。
Tasonalに関するお問い合わせはこちら

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